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「高圧と中性子」研究・作業グループ終了報告

終了報告

2006年度設置 日本高圧力学会研究作業グループ
「高圧力実験技術と中性子科学2」

我々は、J-PARC計画の中で建設されているパルス中性子施設に高圧力科学に特化した独自のビームラインを建設することを目標に、この3年間「高圧力実験技術と中性子科学2」の研究・作業グループでの議論を中心に、予算の獲得、ビームラインの獲得を目指してきた。本作業グループでは高圧討論会が開催されるたびに、レギュラー発表終了後の時間帯を利用して、ミニシンポジウム形式で研究会を開催し、広く高圧力学会会員に中性子科学の啓蒙活動を行い、また、日本地球惑星科学連合大会では、日本高圧力学会に協賛していただき、「中性子と地球惑星科学」を毎年開催し、多くの参加者を得ながら物性科学、地球惑星科学、中性子科学の境界領域における研究討論を展開することができた。

前述の活動が実を結び、2007年度には東京大学の鍵先生が代表の学術創成研究が、2008年度には東京大学物性研の八木先生が代表の新学術領域研究と、合計で10億円以上という二つの大きな科学研究費補助金の獲得に成功することができた。そして2009年1月には、J-PARC装置委員会で高圧専用のビームラインをBL-11に建設することが正式に認められ(略称:PLANET)、現在、原研の内海氏、服部氏、有馬氏を中心に着々と建設が進められている。念願であった高圧専用の中性子ビームラインの建設に着手することができたのは、本研究作業グループの設置はもちろん、日本高圧力学会の全面的なバックアップのおかげであることはいうまでもなく、ここに深く感謝したい。

現在、2011年度の利用研究開始を目指し、ビームライン建設が本格化している。このビームラインが世界の高圧力科学を牽引する素晴らしい施設になるためには、これまで同様の日本高圧力学会会員各位のご理解とご支援が必要不可欠であることは明らかで、今後ますますのご協力をお願いする次第である。

代表者・永井 隆哉
(北海道大学大学院理学研究院)

日本高圧力学会事務局
kouatsu_office(at)highpressure.jp