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第51回高圧討論会 講演募集分野

今回募集する講演は、次の12の分野についてです。


高圧力の科学と技術に関する次の分野:

(1)高圧装置・技術 (2)固体物性 (3)固体反応 (4)流体物性 (5)流体反応 (6)地球科学 (7)生物関連 (8)衝撃圧縮 (ただし(4)(5)(7)には溶液,界面,および食品を含む)

(9)シンポジウム「高圧生物科学:ミクロからマクロへ」

生物関連分野への圧力効果は、生体分子やそれらの分子集合体と言ったミクロな領域から細胞自身や生物個体と言ったマクロな領域まで様々な物体を対象に調べられている。このように多くの生物関連高圧研究がなされている一方、高圧討論会における生物関連分野の研究発表はシンポジウムが開催された年を除いては非常に少ないのが現状である。そこで、過去の高圧討論会において生物関連分野の高圧研究の紹介と会員増強に向けた啓蒙活動を図る目的で数回のシンポジウムが開催されてきた。本年度もこの趣旨に沿って継続的に生物関連分野のシンポジウムを行う。本シンポジウムでは生体分子、生体関連物質を対象とした生命科学、海洋生物学および食品科学などの研究分野に関する高圧研究の発表を一般募集し、同時に最近の生物関連分野において圧力を解析ツールとして使用している研究者のミクロおよびマクロな物体を対象とした高圧研究から数件の依頼講演を行う。

(10)シンポジウム「超臨界の科学と技術」

臨界点(飽和蒸気圧曲線の終点)を越えた不凝縮性の流体である超臨界流体は、温度・圧力を変化させることにより密度、粘度、誘電率、イオン積など物性が大きく変化する。この特性を利用して、特に水と二酸化炭素を代表とする超臨界流体利用技術は、高付加価値物質・高機能材料の創製技術、環境保全技術、有機・無機合成技術、さらには省エネルギー技術等として、多くの様々な分野でますます注目され、新展開を見せつつある。本シンポジウムは、超臨界流体の科学的側面から基礎物性、さらには応用技術開発までと幅広い分野の新たな研究成果について活発に議論することを目的としている。多くの皆様の講演申込と参加をお願いしたい。

(11)シンポジウム「高圧中性子科学」

高圧力学会研究作業グループ「高圧力実験技術と中性子科学1,2」で検討されてきた高温高圧ビームライン(PLANET)の建設が、茨城県東海村J-PARCのパルス中性子施設において、早ければ今秋、遅くとも来春のファーストビーム受け入れを目指して着々と進められている。中性子回折はX線など他の分光学的手法と相補的であるだけでなく、これまで見えなかった高圧科学の新しい世界を照らす光となることが期待される。本シンポジウムでは、現在建設中のPLANETの概要、中性子散乱を手法とした研究の構想と結果を募集するほかに、水素を含む鉱物・マグマ・氷・金属についての実験的・理論的究を広く募集する。

(12)シンポジウム「レーザーショック: 高強度パルスレーザーが切り拓く科学と応用」

近年、大型レーザー、Z加速器(電磁法)などの導入・発明によって、これまで核爆発によってのみ可能であったテラパスカル領域の動的超高圧実験が行われるようになり、高エネルギー密度科学と呼ばれる研究分野が注目を集めている。我が国においても、水素など軽元素物質や種々の鉱物の金属化など、物質科学や惑星科学に寄与し得る重要なデータが高強度レーザーを用いて取得され始めた。レーザーショック実験の場合はパルスX線プローブなどとの同期が容易で、超高圧下物質からの散乱や回折、吸収を利用したその場観察も視野に入っている。さらには、フェムト秒レーザーによる衝撃圧縮や、レーザアブレーションを利用した新規な物質創成、などレーザーでしかなし得ないユニークな研究が行われている。本シンポジウムは、以上のような最近のレーザーを用いた高圧に関する研究発表の場を提供する。発展著しいレーザーショックと動的超高圧研究の最前線を共有し、今後の展望を議論することを目的とする。

日本高圧力学会事務局
kouatsu_office(at)highpressure.jp