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学会設立20周年を迎えて

日本高圧力学会会長 上野 正勝(同志社大学理工学部)

上野会長近影 本年度は日本高圧力学会が1989年(平成元年)10月に仙台で産声をあげてから丸20年になり,大きな節目を迎えています。学会設立当時を私の記憶のある範囲で振り返り,思いを新たにしたいと思います。

学会が設立される前から,高圧力を研究手段とする研究者の研究発表の場として,現在と同様に毎年高圧討論会が開かれていました。当初(1959年)発表数は20件でしたが,20数年後には160-190件にも及び,高圧討論会を円滑に運営していくためにも学会設立の機運が高まっていました。当時神戸大学の蒔田董先生(初代会長)が精力的に働きかけられ,設立準備委員会やWGを立ち上げられ,周到に学会設立準備がなされてきました。その結果,仙台での第30回高圧討論会で本学会が設立されました。残されている資料から当時の委員の方々のご苦労が偲ばれます。事務局は(財)生産開発科学研究所で熱物性研究室長をされていた蒔田先生のもとに置かれることになり,そこで働いておられた徳田幸子さん,井上一男さん,白岩千賀子さんが事務局員として協力され,その後,昨年度までの20年間,白岩さんには各種会議や高圧討論会の準備作業,学会誌編集作業などに言葉では言い表せない位お世話になりました。本年度より,事務局も(有)ワーズに移りましたが,事務局業務をスムースに引き継ぐことが本執行部の重要な仕事の一つであります。

また,学会がその体を成すには,雑誌の発刊が重要であることは言うまでもありません。学会設立2年後の1992年にニューズレターに代わり,記念すべき「高圧力の科学と技術」第1巻,第1号が発刊されました。それには当時広島大学の野村基之先生が大変ご尽力されました。その後,歴代の編集委員長を始め,編集委員の方々の努力により非常に有益な雑誌になっていることを誇りに思います。学会の存続を図るには,このような雑誌の提供を含め,企画行事の催しなど会員の満足度を向上させる必要があります。そのためには経済的基盤を充実させ,事務局体制を整えることが重要です。

2010年度の高圧討論会は期せずして仙台で開かれます。これも何かの縁かと思います。これまでに築かれてきた学会運営を引き継ぎ,さらに発展させるべく,評議員・幹事の皆様の協力を得ながらこの2年間努力する所存です。これまで以上に賛助会員および個人会員の方々のご支援をよろしくお願いいたします。

〒610-0321 京都府京田辺市多々羅都谷1-3 同志社大学理工学部
Faculty of Science and Engineering, Doshisha University, Tatara-Miyakotani 1-3, Kyotanabe, Kyoto 610-0321

《高圧力の科学と技術 第20巻第1号(2010年2月20日発行)巻頭言》


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日本高圧力学会事務局
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